「暗殺者が現場に居残るはずがない」、逮捕された金正男暗殺者の矛盾

暗殺が成功しようが失敗しようが、暗殺した本人が現場に居残ることはあり得ません。しかも、北朝鮮の暗殺者は「逮捕されたら自殺しなければならない」ので、死体で発見されたならともかく、生きていること自体が矛盾しています。暗殺者はとっくに国外に逃げたと考えるのが自然でしょう。しかも、逮捕された容疑者は、自らが使った毒に冒されて、2日間寝込んでいたのですから、暗殺者がそんなマヌケなことをするはずがありません。相当の訓練を積み、毒薬の扱いにも慣れているはずですからね。暗殺を指示した金正恩は「後継問題は解決した」と宣言したのですから、「暗殺者は無事に北朝鮮に帰って来て金正恩に報告した」ことになります。でなければ、「後継問題は解決(金正男を暗殺)した」と宣言できませんからね。では、「なぜ今、金正男を暗殺したのか?」というと、金正恩が一番恐れていたのは米国ではなく中国だからです。中国は「金正恩を暗殺し、金正男を後継者にして後ろから北朝鮮を操ろうとしていた」ので、遠く離れた米国よりも「最も身近で危険な隣国」なのです。移動式ミサイルの発射実験が成功した以上、「米国はもとより、中国やロシアにも勝てる」という自信ができたので、「生誕祭に合わせて金正男を暗殺した」と考えれば無理がありません。「外敵への対処が完了すれば、内紛の要因を排除しようと考える」のは当然ですからね。逆に、ミサイル発射実験が失敗していれば、金正男の暗殺は延期されていたはずです。なぜなら、「金正男の暗殺は、金正男を保護していた中国を敵に回すことに等しい」からです。遠い敵(米国)よりも近くの敵(中国)というワケですね。

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殺害男性は金正男氏と発表 北朝鮮に遺体引き渡しへ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM16H8H_W7A210C1MM8000/
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http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H7H_V10C17A2EA2000/?dg=1
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http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H73_V10C17A2MM8000/
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http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H6L_V10C17A2EA2000/?nbm=DGXLASGM15H7H_V10C17A2EA2000
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http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H3U_V10C17A2MM0000/