なぜ中国は「レアアース戦争」を仕掛けないのか?


中国には「レアアース」という6割以上のシェアを誇る戦略物質があります。しかし、中国は米国との貿易戦争でこのカードを切る気配がありません。なぜなら、「日本とのトラブルでこのカードを切ったものの、返り討ちにあった」からです。中国はレアアースを戦略物質とするために、価格を大幅に引き下げました。通常なら必要となる処理をスルーしたため、他国よりも格安で輸出できるからです。ところが、これが原因で環境汚染が進んでおり、「ガンの村」が多発する事態となっています。しかも、日本は「中国からの輸入を諦め、他国のレアアース開発協力やレアアースを必要としない商品開発を進めた」のです。この結果、中国の輸出制限が脅威ではなくなり、中国のレアアース工場は次々と倒産したため、外交カードとしての効果が消滅してしまった」のです。「もろ刃の剣」の怖さですね。米国に対して「レアアース」をちらつかせることは出来ても、技術力に勝る米国が本気になれば勝ち目はありませんからね。